住宅の性能を左右するのは「断熱性能」です。その中でも窓の性能は重要な要素であることをこちらの記事で紹介していきました。
この記事の「窓の断熱性能ランキング」の中でハウスメーカーの一条工務店オリジナルの樹脂サッシが、断熱性能を表すU値(熱貫流率)0.8W/㎡・Kで高い性能を誇ることを書いていましたが、今回はその一条工務店オリジナルの「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」の性能について詳しく紹介していきたいと思います。
「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」のツイン?トリプル?Low-E?など、難しい用語が並んでいますので、その意味と断熱性能について徹底解説していきます。
これから家を建てる方、窓の性能について知りたい方の参考にしてください。
一条工務店の高性能窓&サッシについて
一条工務店というハウスメーカーは「家は性能」というキャッチコピーを使用している通り、家の性能を重視し、とことん家の性能にこだわり、快適な暮らしを目指しているハウスメーカーです。
テレビでのCMをやっていないため、全国的には知名度が低いハウスメーカーですが、その性能に特化した考え方で、近年徐々にシェアを伸ばしているメーカーですね。
とにかく断熱性能においては他のハウスメーカーを寄せ付けない程の実力がある一条工務店ですが、中でも窓の性能にはこだわっており、「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」という優れた性能を持つ窓を採用しています。
世界トップクラスの断熱性能(U値:熱貫効率)
窓や天井、床などからどのくらいの速さで熱が逃げていくかを表す指標として「U値(熱貫流率)」を用います。
この値が小さいほど断熱性能が高いという意味となります。
(U値についての詳しい説明はこちらの記事にまとめていますので、知りたい方は参考にして下さい。)
リンク:窓の種類・断熱性能について徹底検証!窓の断熱性能ランキングも紹介
一条工務店の窓は「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」という窓の仕様を採用しており、非常に高い断熱性能を誇ります。
一般的なハウスメーカーで採用されているペアガラス&アルミサッシ(2枚のガラスの間に空気の層が入り、窓枠の素材がアルミのもの)のU値は4.65W/㎡・K。
断熱性能を上げたペアガラス&アルミ樹脂複合サッシ(2枚のガラスの間に空気の層が入り、窓枠の素材がアルミ+樹脂のもの)のU値が2.33W/㎡・K。
(こちらが日本の省エネ建材等級最高ランク基準値と同じ)
一条工務店の窓は0.8W/㎡・Kですから、その断熱性能の高さがわかると思います。
一般的なペアガラス&アルミサッシと比較すると約5倍も熱を通しにくいと言えます。
「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」とは
出典:https://www.ichijo.co.jp/technology/element/sash/
「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」と長い名前が入っていて分かりづらいですよね。「ツインとか、トリプルとか。。一体何を言っているかわからないけど何となく凄そう。」という方も多いと思いますが、解説すると
①防犯
②ツインLow-E
③トリプル
④樹脂サッシ
+(⑤クリプトンガス)
①防犯・・・合わせガラスで破れにくい
②ツインLow-E・・・ガラスに金属膜をコーティングしたLow-Eガラスを室外側と、中央の2枚(ツイン)採用
③トリプル・・・2枚のLow-Eガラス+合わせガラスの3層構造
④樹脂サッシ・・・外気温の影響を受けにくい樹脂製の窓枠を採用
⑤クリプトンガス熱伝導を抑えるためにクリプトンガスを充填
つまり「合わせガラスで防犯性能が高く、3重ガラス・樹脂サッシ・クリプトンガスの採用で断熱性能が高い窓」と言えます。
①防犯性能(合わせガラス)
厚さ3mmのガラスとガラスの間に樹脂膜を圧着して作られた防犯合わせガラスは、ハンマーなどで衝撃を加えても簡単には破れないようになっています。
出典:https://www.marusyoya.co.jp/bou_1.html
こちらの円グラフの通り、戸建ての空き巣の侵入経路の割合は、「ガラス破り」が1位になっています。
無施錠の割合も高いですが、住人の意識の問題でもあるので、除外すると、「施錠開け」(いわゆるピッキング)による侵入よりも、窓を壊されて家に侵入する割合のほうが断然高いと言えます。
そのため、窓を破るのに時間が掛かる防犯合わせガラスは、非常に有効です。
また、こちらの合わせガラスは、防犯だけでなく、ガラスが割れた際の飛散防止にも繋がりますので、万が一台風などでものが飛んできてガラスを直撃した際の被害軽減にもつながります。
②ツインLow-E
Low-EとはLow-Emmisivity(=低放射)の意味であり。 ガラスに特殊金属をコーティングすることで、熱の移動を少なくした複層ガラスです。
室内側に金属コーティングしたものを「断熱タイプ」といい、夏場の日射熱が室内に入ってくるのを防ぎ、室外側に金属コーティングしたものを「遮熱タイプ」と呼び、冬場の暖めた空気の熱を室外側に逃がさず、暖房効率をアップさせる働きがあります。
一条工務店の窓では、こちらの金属コーティングを2枚(ツイン)で採用し、夏場の室外からの熱を「断熱」する働きと、冬場の室内の熱を逃がさない「遮熱」のどちらの機能を持つ窓になっています。
「Low-E複層ガラス」はガラス自体が透明ではなく、若干青っぽいような(緑にも見える?)色がついています。
こちらの写真は我が家の窓ですが、若干緑色っぽい色が付いており、ハーフミラーのような効果もあります。ガラスの手前が明るい場所から暗い場所を見ると光が反射して、ガラスの奥側が見えないといった特徴があります。
③トリプル(3層ガラス)
一条工務店の窓はLow-Eガラス2枚と、防犯合わせガラス1枚の3層構造になっており、高い断熱性能を誇ります。
こちらは以前紹介した窓の断熱性能ランキングです。
リンク:窓の種類・断熱性能について徹底検証!窓の断熱性能ランキングも紹介
メーカー別の断熱性能を比較すると、1.0W/㎡・K以下の上位のほとんどが3層構造のガラスとなっていることがわかります。中には5枚ガラスもありますがコストがかなり高くなってしまうので実際に採用する方はあまりおらず、一条工務店の3層構造ガラスがかなり優秀な部類に入ることがわかると思います。
④樹脂サッシ
樹脂はとても熱を伝えにくい素材(ポリ塩化ビニール)で、断熱性能が高い窓によく使用されています。
ポリ塩化ビニールは、フライパンの持ち手部分に使用されている素材で、他の化学物質の影響を受けづらく、温度変化にも強いのが特徴です。
特に熱伝導率(λ)は
・アルミサッシ:200W/m・K
・ポリ塩化ビニール:0.17W/m・K
であり、アルミの約1000分の1となっており、外気温が低い冬でも熱を通しにくいため、樹脂サッシ部分に触れても冷たく感じることがなく、結露も発生しにくくなっています。
デメリットとしては
・アルミサッシと比較してコストが高い
・強度がアルミに比べて低い
ことが挙げられます。
強度については厚みを持たせることでカバー出来ますが、コストは一般的にアルミサッシよりも高くなってしまいます。
⑤クリプトンガス採用
断熱性能が高い窓ガラスでは断熱性能を上げるためにガラスの間に空気層を作り、「アルゴンガス」や「クリプトンガス」を封入しています。
空気層10mmで比較した場合、熱伝導率は
・乾燥空気(ドライエアー):0.024W/m・K
・アルゴンガス:0.016W/m・K
・クリプトンガス:0.009W/m・K
であり、かなり熱の伝え方が違うことがわかります。
一条工務店ではクリプトンガスを採用しており、高い断熱性能を誇ります。
一条工務店は高性能な窓が「標準装備」
一条工務店では、上で紹介した「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」が全ての窓に標準で付いてきます。
同じ断熱性能の「エクセルシャノン:シャノンウィンドウUF(アルゴンガス)」の価格は、一枚当たり71,600円ですから、5枚採用すると約35万円掛かることになります。
(縦すべり出し窓の場合(W:640 mm × H:1170mm))
そんな高性能な窓が標準(追加料金無し)で付いてくるのはかなり嬉しいですね。
まとめ
一条工務店 標準の「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」は、断熱性能を向上するために様々な工夫がされていることがわかると思います。
他社開発の断熱性能トップクラスの製品に負けない断熱性能を誇り、暖房、冷房に掛かる光熱費を安くすることが出来ますし、快適な生活を送ることが出来ます。
一条工務店の家に住んでから3年以上経過しましたが、冬場の窓からの冷気がなく、どの部屋も温度変化がないというのは非常に快適です。
また、結露も少なく、カビの発生を抑えることができるので健康的な生活を送ることが出来るので、健康を気にする方は窓の性能にもこだわってみると良いと思います。
これから家を建てる方はぜひとも参考にしてみてください。
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