最近、廊下のない間取りが流行っていますね。家づくりのサイトや、間取りの本などでかなりの「廊下のない家の間取り」が紹介されています。私自身、家を建てるにあたって様々な間取りを考えてきましたが、「廊下を付けるか」という問題に対してはかなり悩みました。自分なりにメリット・デメリットを考え、最終的には私は「廊下のある間取り」を選びましたが、今回は「廊下のない間取り」のメリット、デメリットを紹介していきたいと思います。
廊下のない間取りとは
日本の昔の住宅では、長い廊下のある住宅が一般的で、廊下のない家はほどんど存在しませんでしたが、近年、様々なデザイン、価値観が出てきており、無駄を省いたシンプルデザインも数多くあります。その中の代表例として、廊下のない間取りが存在します。
「廊下のない間取り」の例
こちらは私が家の間取りを検討していた際、実際に作成した間取り図になります。
リビングを中心に各部屋、洗面所、お風呂場に繋がっている間取りとなっており、まさに「廊下がない間取り」です。
検討途中であったため、今見返すと無駄なスペースはありますが、廊下のない家の代表的な例ではないかと思います。
こちらは鳥瞰図です。図面を見ることに慣れていない方はこちらの方が見やすいかもしれませんね。
こちらの間取りのメリット・デメリットを紹介していきたいと思います。
メリット
1.廊下がない分、部屋を広くとれる
廊下のない間取りの最大のメリットは部屋が広くとれる。という事でしょう。
そのため、間取りの仕方によっては廊下のある家よりも広く快適な生活も実現できます。また、同じ施工面積でも廊下のない間取りでは廊下の面積分、部屋が広く出来ます。
言い換えると、廊下をなくすことで、廊下分の建築費を削減できることになりますので、その分の費用を、他の住宅設備に充てることが出来、快適な生活空間の実現に繋げることが出来ます。
2.家族間のコミュニケーションが増える
必ずリビングを通るような間取りになっているため、家族の顔を見る機会が増えることになります。「子供が家に帰ってきているかわからない」「全く顔を合わせない日がある」等のことは減るかもしれません。「おはよう」「おやすみ」などの家族間の挨拶は、家庭生活が上手くいくための基本ですので、顔を合わせる状況を作ることも大切です。
3.生活動線が短くなる
廊下がない分、生活動線が短くなります。部屋から部屋に移動する際、廊下がない暮らしですと無駄がないため、うまく間取りを考えられれば無駄のない生活が出来ます。 間取りを検討する際、「洗濯をする・干す」「料理をする」などの生活導線を引いてみるとわかりますが、長い廊下になると何をするにも歩行数が多くなり無駄が多くなります。
デメリット
1.プライバシーが確保しにくい
リビングからどこへでも繋がっているということは、「リビングからどの部屋も見える」とも言えます。
来客でリビングに人がいると、ゲストから家族のプライベートな空間(寝室、子供部屋、浴室の中)が見えてしまう等の問題があります。またお風呂から上がるとすぐにリビングのため、来客があると落ち着きません。
2.動線が交差しやすい
上で挙げた間取りの例でみると、どこに行くにもリビングを通るため、うまく間取りを考えないとリビングで落ち着いた生活が出来なくなります。
例えば、
・テレビを見ている横を通るため、部屋を暗くして集中して映画・ドラマなどを観られない
・リビングでくつろいで仮眠をとっている際に誰かが横切る
・来客の際、リビングで会話している最中に、家族がリビングを通る
などです。
3.各部屋の音が漏れる
廊下のない家は、各部屋の距離が近く、扉1枚挟んだだけのため、リビングからの音、もしくは子供部屋、寝室からの音が隣の部屋まで伝わります。子供が思春期に入ってくると、プライベート空間を大切にしたいと感じるものですが、各部屋の音が聞こえてくるため、落ち着いた生活が出来なくなる場合も考えられます。
4.臭いが広がりやすい
廊下のない間取りは、必然的にキッチンから各部屋の距離も近くなることが多く、料理の臭いが各部屋に流れてくる可能性があります。
またトイレも同様で、トイレからの臭いが各部屋に広がりやすいと言えます。最近の住宅は24時間換気で、各部屋の空気が循環しているため臭いも広がりやすいという傾向もあるため注意が必要です。
まとめ
「廊下のない間取り」は一見、無駄を省いた良い家だ。と捉えられがちですが、メリットだけでなくデメリットも多い事が伝えられたのではないかと思います。
実際、私も家を建てる際、この問題に直面して悩みました。
最終的には「廊下のある間取り」を選び、快適な生活を送っています。
こちらに間取りを紹介していますので、良ければ参考にしてみてください。
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